寄生虫学教室の歴史
慶應義塾大学医学部における寄生虫学教室は,国内で最も古い寄生虫学教室として1920年(大正9年)に産声をあげた伝統ある教室です。今でも学生の教育と研究室に使われている予防医学校舎(写真右上)は,1929年(昭和4年)に建築された歴史的建造物です。
今後感染症学教室の研究スペースの半分は予防医学校舎に残りますが,半分は総合医科学研究棟2階に移り,活動を行います。
これまでの歩み
1920年(大正9年)宮島 幹之助 教授 |
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1924年(大正13年)小泉 丹 教授 |
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1948年(昭和23年)松林 久吉 教授 |
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1973年(昭和48年)浅見 敬三 教授 | |
1986年(昭和61年)竹内 勤 教授 |
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2013年(平成25年)岩田 敏 教授 |
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2019年(令和元年)長谷川 直樹 教授 |
寄生虫学教室の研究テーマの変遷
歴代教授の研究テーマを簡単にまとめました。これらのテーマを見ておりますと,近代化への時代の変遷をみることができます。また,現在わが国では少なくなったものの,依然として重要な疾患が含まれています。
歴代教授の主な研究テーマ
宮島 幹之助・小泉 丹 教授
- 回虫の感染実験(濃野兄弟)
- 回虫の生理生化学的研究
- 熱帯病(赤痢アメーバ、マラリア)
松林 久吉 教授
- 赤痢アメーバ:共在細菌の影響、病原性
- マラリア
- トキソプラズマの検出
(ヒト・トキソプラズマ症の最初の報告)
浅見 敬三 教授
- 膣トリコモナス:無菌培養(浅見培地)
- 赤痢アメーバ:無菌培養、生化学的研究
- トキソプラズマエネルギー代謝、蛋白合成
- アニサキス症の国内最初の報告
- ペルナンブコ大学(ブラジル)熱帯病研究所への医療協力
竹内 勤 教授
- 赤痢アメーバ
- トキソプラズマ
- 住血吸虫症
- マラリア
- シャーガス病
- グローバルセキュリティ
岩田 敏 教授
- 小児感染症全般
- 肺炎球菌感染症
- ワクチン
- 感染制御学