臨床への取り組み

帯状疱疹

帯状疱疹ウイルス

水痘(みずぼうそう)および帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症する病気です。水痘は、はじめての感染または帯状疱疹のかかった患者と接触することによって感染し、顔や体に水疱が集中してできる特徴があります。一方、帯状疱疹はウイルスが水痘に感染した後に神経節に潜み、歳をとり免疫が低下した時に、ウイルスが再び活性化することで発症します。帯状疱疹は片側に痛みを伴う小水疱がみられる特徴があります。帯状疱疹は、80 歳までに 3 人に 1 人が発症し、特に 50 歳代から発症しやすいといわれています。合併症としては、感染後に痛みが残る帯状疱疹後神経痛の頻度が最も高いといわれています。ご高齢の方や皮疹が重症な方、痛みが強い方で後遺症が残りやすい傾向があります。その他、眼や耳などの合併症をきたし、失命することもあります。

近年では、新型コロナウイルス感染した後に帯状疱疹にかかる人が増えるという報告もあり、今後、最も注目すべき疾患の一つである。

ワクチン

高齢者や免疫が低下する病気をもつ方は、帯状疱疹が発症しやすいため、帯状疱疹ウイルスワクチンが有効であるといわれています。日本では50歳以上のすべての方が対象となっています。

帯状疱疹ワクチンには、遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチンと弱毒生水痘ワクチンの2種類があります。ワクチンは、発病リスクが高い人の帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛などの後遺症の発症リスクを減らすことが出来るといわれています。


  1. Albrecht MA, Levin MJ, et al. Up To Date. Vaccination for the prevention of shingles (herpes zoster) accessed on 7th of January 2023
  2. 渡辺大輔, 帯状疱疹ワクチン. ウイルス 2018; 68(1): 21-30
  3. 吉藤歩, 竜崎崇和. 帯状疱疹ワクチン. 臨床透析 2023 in press